一人暮らしももうすぐ丸三年です。
高林はそこで思いました。
『部屋に変化が欲しい。』
そう、こっちにきてから丸三年。
その間、私の部屋は一回も模様替えをしたことがなかったのです。
一回生の時にもらいものではあったもののベッドを導入したときに
ちょっと棚を動かした程度なもんです。
部屋を見回してみると、なんと物が多いことでしょう。
とりあえず畳は見えません。
パソコンデスク、テレビ台、ベッド、コタツ、本棚が
この六畳の和室を満遍なくうめているのです。
押入れの中もちょっと触れれば雪崩がおきんばかりの勢いで埋め尽くされています。
何かで。
その埋め尽くしている何かがなんだか私にもわかりません。
泥棒に入られても気付かないかもしれないくらいの汚さです。
とりあえず物が多い。
捨てれたい。捨てれない。
ベッドを片付ければかなり部屋は広くなるはずです。
そこで高林は考えました。
『おしいれで寝ればいいんだ!』
ドラえもん計画です。
子供のころ、ベッドに憧れて兄と一緒に親にねだったあの計画です。
押入れの上段で寝るのはいろいろと不便そうなので、
ベッドを押入れにぶちこもうと押入れの奥行をはかりました。
ベッドの幅をはかりました。
見事に20cmほどはみ出ることが分かりました。
そうです、京都の住宅は押入れが狭いのです。
こんなボロアパートにさえ京間の伝統は受け継がれているのです。
いりません。
そんな感じで、何も変化させることができず、部屋はちらかっていく一方です。
まずは物をすてるところから始めます。
捨てれないものは実家に送りつけます。
模様替え、春休み中の長期計画。
誰か匠を呼んできてください。
ビフォーアフターを現実にしてください。